すのうろぐ

日々のこと、趣味のこと

人間にはそれぞれできることできないことがあるゆえに

今日ハローワークに行ってきた。

もうそろそろニートやめようって思って。8か月も休んだし、心も体もだいぶ良くなったしね。

 

で、今日は就職相談っていうより、セミナーだったんだけど

内容はコミュニケーションスキルについて。

職場での基本的なコミュニケーションについて学習しようっていう魂胆のやつ。

 

ハロワの人にすごいすすめられて受けた。

「コミュニケーション怖い」って言ったら、秒で受講申請されてあれよあれよという間に受けることになった。自分を若干呪った。

 

そんな自分が挙動不審を体現している中、セミナーの最初でスタッフがこういった。

「まずは座学でしっかり学習して、それを実際前に出て実践形式でやっていきましょう。」

 

 

耳を疑った

 

 

コミュニケーションが苦手で

もう8か月、家族と友達とハロワの担当者としか話してなくて

後はブログ書いたり散歩して考え事しているようなおっさんだというのに

 

 

まさかいきなり人前で実践しろだなんて夢にも思わなんだ

 

 

ハロワの人もやるなぁ。

有無を言わさぬ荒療治だよね。

 

・・・うん、こうなったらもうやるしかないよね。

そう、私は網にかかった魚。

なんとか逃げ出そうともがきはすれど、運命とさだめたら道はひとつ。

 

 

食うなら骨まで食ってくれ

 

 

 

そこからは覚えていない。

なんか色々しゃべったりした記憶もあるけど、人前に出るたび両手足の手指が冷えていく感じはしていた。

 

 

「あ、私死ぬ。」って30分の間に30回は思っていたかもしれない。

それでもあらん限りの力と勇気と根性を振り絞ってなんとか逃げ切った。

倒れてストレッチャーに乗せられて緊急搬送される前になんとか逃げ切った。

 

めまいはしなかったけど、最後の方は手が震えて文字があまり上手にかけなかった。

 

顔面蒼白を感じる中、ハロワの職員が声をかける。

 

今日と同じような感じのセミナーを8回連続の『コミュニケーションセミナー』としてやる予定です。ゆきさんもぜひ参加されてください。」

 

 

冗談じゃない。

今日と同じやつをあと8回やったりなんかしたら、力振り絞りすぎて干からびる。

手の震えが尋常じゃない。

 

 

死因が「人前に出たことによるショック死」なんて末代までの恥だ。

いや、まて。子供いないから私で末代だ。

 

いや、そんなことはどうでもよくて、とにかくこれ以上人と関わったら健康的によくなさそうだと思って意を決して断ることにする。

 

しっかりとハロワ職員の目を見つめ、一呼吸おく。

ふうっと深く息を吸い、口を開く。

 

 

「・・・はい。ぜひ・・・受けさせて・・・ください・・・。」

 

 

 

 

「NOと言えない日本人」とはよく言ったものだなって感心はした。

 

 

 

かくして私は秒の早さで受講申請となり、この度めでたく全8回のコミュニケーションセミナーを受けることになった。

 

 

「このセミナーを通して学びたいことはありますか?」

そう尋ねる職員に対し、目を潤ませながら蚊の鳴くような声で必死に絞り出した言葉。

 

 

「上手に・・・断れる・・・方法が・・・知りたいです・・・。」

 

 

私の中で起こる成長と衰退の葛藤。

前に進むには傷を負う覚悟を持たなければならない。

 

人間にはそれぞれできることできないことがあるゆえに。